部屋を暗くしたい。(遮光カーテンの選び方)

光を通しにくい遮光タイプのカーテンが当店でも吊りサンプルの約35%を占めているくらい人気があります。
遮光カーテンには遮光率(光を遮る割合)がによって1級から3級まで区分けされます。

・1級遮光 遮光率99.99%以上、照度10LX以下(人の顔の表情が認識できないレベル)
・2級遮光 遮光率99.8%以上、200LX以下(人の顔あるいは表情がわかるレベル)
・3級遮光 遮光率99.4%以上、600LX以下(人の表情はわかるが事務作業には暗いレベル)

遮光カーテンといっても等級によってかなり暗くなる具合が違います。
1級遮光でも、人の顔の表情が認識されないレベルということなのでまったく暗くて見えないというわけでもありません。
また、カーテンの隙間から光が漏れるので単に1級遮光カーテンを掛けたら部屋が真っ暗になるということではありません。

遮光カーテンを選ぶ場合、どのくらい暗くしたいかによって選択肢がかわってきます。

  1. 夜、外から部屋の明かりを見えにくくしたい場合
    夜中まで起きていて、外に明かりが漏れるのが気になるという方は、3級の遮光カーテンでもおおよそ大丈夫でしょう。
    昼間カーテンを閉めて暗くする場合、晴天の外の照度は約10万LXととても高いのに対して、夜の部屋の中は明るくて約1000LXです。ですので、昼の外の明かりの1/100程度の光を漏れにくくするのであればさほど高くない遮光率でも問題ありません。しかし全く光が漏れないということもありませんので気になる方は高い遮光率をおすすめします。
  2. 昼間睡眠するので暗くしたい場合
    昼間部屋をある程度暗くしたいという方は、2級以上の遮光カーテンをおすすめします。
    2級遮光カーテンを掛けた場合、昼間の光はぼんやりと映ります。しかし、すべての窓にカーテンを掛けるとかなり暗くなりますので、寝室に最適な照度である10~30LXよりは高くはなりますが明るくて眠れないということはないと思います。真っ暗じゃないと眠れないという方は、1級遮光カーテンにするよりも、カーテンレールの縁から漏れる光を防いだ方が良いかもしれません。
    余談ですが、昼間寝る場合、サングラスを掛けるとか寝る前にできるだけ光を浴びない工夫をしてください。逆に起きたときは蛍光灯に近づく等光をしっかり浴びるようにしましょう。
  3. ホームシアターをするので暗くしたい場合
    ある程度の暗さが必要なので、1級遮光カーテンをおすすめします。
    家庭用のプロジェクターは、ある程度暗くなれば問題はないですが、暗くすればそれだけくっきりとした映像が楽しめます。特に黒の色合いが変わります。ビジネス用のプロジェクターは投影照度が高いのでそれほど暗くしなくても問題ないでしょう。
    投影するスクリーンの位置が窓の横の場合は、窓枠とカーテンレールの間に隙間ができるので光が横方向に漏れます。その光でうまく映像が見られない可能性があるので、サイドリターン式という遮光カーテンを幅を大きめにして壁やレース用のレールの縁に金具を取り付けて、カーテンを奥に回り込ませるように取り付ける方法にした方が良いでしょう。
  4. とにかく真っ暗にしたい場合
    はっきり言ってカーテンだけでは無理です。
    シャッターが付いている場合は、シャッターを閉めるのが最も良い方法です。
    カーテンで真っ暗にしたい場合は、
    ・カーテンレールの上や裾、両サイドから光が漏れる。
    ・カーテン生地自体から光が漏れる。
    ・カーテンの縫い目から光が漏れる。
     という問題を解決しなくてはいけません。
      カーテンレールの隙間から漏れる光を防ぐ方法としては、上部からの漏れに対してはレールをカーテンボックスタイプの物に変えたり、レールの上に光が漏れないように板を置くとある程度防ぐことが可能です。
      横から漏れは、サイドリターン式という遮光生地を奥に回り込ませる方法である程度防ぐことが可能です。下からの漏れは完全に擦る位に長く作れば漏れは防げます。両開きの場合、真ん中からも漏れますが、交叉レールというカーテンが重なるようになるレールで漏れを防ぐことが可能です。
      1級遮光カーテンでも、生地によっては薄く光が漏れるものもあるので、裏が樹脂コーディングされた生地等、完全遮光タイプの生地がおすすめです。一般的なカーテン見本帳では少ないかもしれませんが、学校、病院等業務用として各メーカーが取り扱っているので問い合わせをしてみて下さい。
      カーテンの縫い目から光が漏れるのは、遮光率が高くなればなるほどはっきり分かり、目立ちます。通常縫製の場合は必ず漏れますので、「かぶせ縫い」という縫い目を見えにくくする特殊縫製をする必要があります。

真っ暗にするためには、カーテンも縫製やサイズも変わりますし、レールも変わってきますし、当然コストもかかります。当店でも、とにかく暗くしたいという方にはご説明をさせて頂きますが、遮光カーテンだから真っ暗になって当然と考えず、どれくらいの暗さが必要かを教えてくだされば、それに合ったご提案をさせて頂きます。
あまりコストをかけずにある程度暗くする方法もありますよ。お気軽にご相談下さい。

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