羽毛ふとんの寿命

 ここ数年、羽毛ふとんのリフォームのご相談が多くなってきています。
例年ならば寒くなると新品の羽毛ふとんのお問い合わせが多くなるのですが、今年はリフォームの相談の方が多いくらいです。
これには、羽毛ふとんの普及率が高くなったのと、羽毛ふとんがリフォームできるということの認知度が高くなっているのが原因と考えられます。
 
 羽毛ふとんのリフォームでお客様とお話させていただく際によく「この羽毛ふとん20年使えたから、リフオームしたらあと20年使えるわね。」とか、「買ったときには一生モノだよと言われた。」なんてお話を耳にすることがあります。
さて、羽毛ふとんの寿命ってどの位なのでしょうか。

 羽毛ふとんのリフォームを出されるお客様の主な理由は、「生地が破れてきて中身が出てきた。」、「中が片寄って真ん中が薄くなった。」、「ダブルを使わなくなったのでシングルにしたい。」等があります。
物理的に使用が難しくなるのだから、その羽毛ふとんの寿命といえば寿命ですが、このような事例の場合は、中の羽毛が劣化していなければリフォームすることにより新品同様ににてお使い続けることができます。
しかし、中の羽毛が劣化していないというのが前提で、やはり使えだ使う程、羽毛は劣化します。
リフォームの際は、羽毛を洗浄乾燥する際にダウンポールがしっかり広がっている羽毛を残しファイバー状に劣化した羽毛を除外した後、新しい羽毛を補充するのですが、前の羽毛の充填量と同じ量で充填して作れば、前の羽毛ふとんの新品時よりは羽毛が劣化した分ふくらみは出なくなります。
ですので、通常リフォームの際は、前の羽毛ふとんの充填量よりやや多くなるように新品羽毛を足してお仕立します。

リフォームした羽毛ふとんが後何年使えるかですが、当店では羽毛リフォームの際綿100%の側生地を使用するため、側生地が破れて吹き出しが起こるまで使うということでしたら普通に使えば10年以上でも大丈夫かと思います。
しかし、羽毛自体の劣化によるカサ減りやへたいを考えると、その羽毛ふとんの本来の性能を満たすかで考えると、もとの羽毛の劣化具合によりますが6~10年位が限界ではないかと考えます。
 
 冒頭のお客様からの話に当店では20年使った羽毛ふとんをリフォームしてあと20年使えるかと聞かれれば、そこまでは使えないとお答えしますし、羽毛ふとんは一生モノかと聞かれれば、そこまでは難しいのではとお答えしております。
新品の羽毛ふとんの寿命は、当店では丁寧に取り扱ってもらい、4~6年位で汚れが気になったら丸洗いをしてもらい、10~15年で羽毛の片寄りやヘタリを感じたらリフォームを行いあと10年程度と説明しております。
 
 ふとんの寿命は、取り扱っている商品によっても違うので、それぞれの販売店に確認してみるといいかもしれません。
某大型インテリアショップでは買い替えサイクルを5年位を想定して、それくらいの耐久性の安価な商品を販売していると聞きますし、それはそれで正直な答えだなと思いますし、逆にシルク100%の側生地を使用した超高級羽毛ふとんを20年、30年暖かく使えると謳って販売している店に対してはどうかなとも思います。
今お使いの羽毛ふとんがどれ位のグレードのものなのか、劣化具合やリフォームするべきか否か知りたい方や、自分の生活環境に合わせた羽毛ふとんを購入したいという方は、やはり業界団体認定の睡眠環境寝具指導士が在籍している等信頼のおける専門店でお尋ねになられるのが良いかと思います。

 羽毛ふとん等掛ふとんで半年、敷寝具や枕は1年中、毎日7時間以上と、寝具というのは他の繊維製品に比べてとても過酷な環境で使われ続けます。
衣料品みたいに流行りがあるわけでもなく、外から見られることもありませんが、衛生面や快適な睡眠ができる環境を作るということを考えて、定期的に寝具をチェックしてみませんか。

 
 
  

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