羽毛ふとんが高騰しています。

世の中値上げラッシュで何もかもが値上げ値上げで嫌になってしまいますね。
羽毛ふとんも他と同様ここ数年値上げが続いています。
羽毛の原料は、ここ3年で最安値だった価格と比べて約1.8倍(ホワイトダックダウン85%の場合)、側生地に使われる綿も上昇傾向、運搬にかかる燃料代、人件費も高騰しております。

羽毛の高騰の原因は、コロナ禍での外食産業の停滞によるダックやグースの生産量の低下、ヨーロッパにおける鳥インフルエンザの発生、運搬するコンテナ船の停滞等が複合的に絡み合って起こっていると考えられます。
また、円安傾向が続いているのも輸入品に関しては大きな負担になっています。

しかし、ネットやチラシ、量販店の売り場を見てもあまり販売価格は毎年変わらないようにも見えます。
その理由は単純で、販売価格に合わせて品質を落としているからです。

わかりやすい例として、某テレビ通販大手の羽毛ふとんを見てみましょう。

  • 2年前の商品
    フランス産ホワイトダックダウン85%
    羽毛充填量1.1kg
    側生地ポリエステル85%綿15%
    販売価格税別16,800円
  • 1年前の商品
    フランス産ホワイトダックダウン85%
    羽毛充填量1.0kg
    側生地ポリエステル85%綿15%
    販売価格税込17,800円
  • 今年の商品
    フランス産ホワイトダックダウン85%
    羽毛充填量1.0kg
    側生地ポリエスエル100%
    販売価格税込17,800円

販売時のキャッチコピーは「エクセルゴールドラベル付きのフランス産羽毛を贅沢に使った高級羽毛ふとんがこんなにお値打ちに!!」で、3年とも同一価格帯で見た目はまったく同じように見えますが、見えないところでは少しづつコストダウンを図っているのが分かります。
羽毛の充填量を100g減らせば、現在の相場でしたら実売価格で1,500円~2,000円コストを落とせますし、側生地をポリエステル100%にすればコストをさらに落とすことができます。
実際に使用することを考えると、羽毛の量が減れば当然保温性が落ちますし、側生地に使用されるポリエステルの割合が多くなればなるほど通気度が落ち、羽毛の吹き出しが多く発生します。
つまり、同じような商品でも2年前と今年では明らかに今年の方が品質の劣る商品を買うことになるのです。
羽毛ふとんなんて一生にそれ程何度も買い替える物ではないので、購入された方も比較することができないので分からないだけなんです。

当店で主に取り扱う羽毛ふとんは、長期間、快適に、あたたかくお使いいただけるように、ある程度の基準を作り、その基準を満たすのものを販売しております。

  • 使用する羽毛は、できればグースダウン、ダウンパワーは350以上。
  • 羽毛の充填量は、シングルで1.2kg以上
  • 側生地は、通気性が良く、羽毛の吹き出しの少ない綿100%
  • 縫製はできれば、長期間使用した場合の羽毛の片寄りを防ぐ簡易完全立体キルト

現在、高値が続いているダックダウン(アヒルの羽毛)のさらに輪をかけてグースダウン(ガチョウの羽毛)が、高騰しております。
私もいろいろチラシ等をチェックしていますが、今年の場合、量販店、専門店を含めて7万円以下で販売されている羽毛ふとんで、グースダウンを使用しているのは数点しかありません。
また、5万円以下で販売されている羽毛ふとんで、綿100%側生地を使用しているのもほとんどありません。
結局、品質よりも価格維持のために分かりにくい部分のコストを削った粗悪な羽毛ふとんが市場にあふれているのが現在の状況なのです。

当店では今シーズン、上記の基準を満たした羽毛ふとんを39,800円~で販売をしておりますが、正直もう限界です。
来シーズンは、羽毛の高騰が続くのと、綿の高騰が予想されいるのでこの価格、この品質を維持するのは難しいと思います。

唐突ですが、SDGsの目標12に

「つくる責任 つかう責任」

という項目があります。
持続可能な社会の実現には、粗悪な品を短期間で買い替え、廃棄するのではなく、良質な商品を長期間使うことが大切です。
我々も、できる限り大切に長く使っていただける商品を販売しなければいけません。
羽毛ふとんは側生地は劣化していきますが、中の羽毛は洗浄等適切な処置を行えば何度でも再利用が可能です。
これから羽毛ふとんのご購入をお考えの方、「つかう責任」のことも考えて、長期間、快適に、あたたかく使用でき、リフォームすることもできる良質な「本物の羽毛ふとん」を是非ご検討ください。

 

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