ウィンドウコーディネートのジレンマ
一ヶ月程前の話ですが、名古屋でトーソー株式会社主催の窓装飾プランナーのためのウィンドースタイリング・スキルアップ講座を受講してきました。
内容は、前半はインテリアで使用する布(ファブリック)の歴史や構造、特徴等の解説で、後半は実際のコーディネート例を見ながらの解説という流れでした。
前半のファブリックの解説は、寝具でも使用するものも多く、おおよそ頭に入っている内容でしたが、改めて体系付けて学ぶことができました。
後半のコーディネート例は、企画した団体「スタイリングプロ」のコーディネーターが実際に取り組んだ事例をいくつか解説してもらえたのですが、色のバランスや空間の取り方等とても参考になる話を拝聴することができました。
こちらは、「スタイリングプロ」さんが国内主要メーカーの生地と、トーソーのカーテンレールや部材を使ってコーディネートした一例で、大阪のアベノハルカスにあるトーソーのショールームに展示してあったものです。
これは、アスワンの生地を使用したものです。北欧のファブリックブランド「フィンレイソン」デザインの生地を使用しています。
明るく元気が出る感じですね。
こちらは、サンゲツの生地を使用したコーディネート例です。
ターコイズのグラデーションが個人的には大好きです。
フラットですっきりとしたデザインですが、高級感もあります。
こちらは、川島織物セルコンの生地を使用したコーディネート例です。
大きな半円のスワッグと2段の木製レールのアンシンメトリーな感じが変化を与えていて、落ち着いた生地ながら活動的な感じも受けます。
こういったコーディネート例を見たり聞いたりしていると、いいなぁって思うんです。私もこんな感じに格好良くコーディネートがしたいなぁって思ったりします。
でもねぇ・・・
でもねぇなんです・・・
当店は、カーテン屋(ふとん屋でもありますが)であって、ご来店される方はカーテンを探しに来られる訳なんです。
ですので、我々に求められいるのは、カーテンであったり、ロールスクリーンであったりいわゆる「ウィンドウトリートメント(窓装飾)」であり、壁紙や家具、間取り等は既に決められている中で窓装飾をご提案しなくてはならないんです。
また、実際に住むとなると生活する中での使い勝手や、遮光性、保温性等の実用度、ご予算ということも考えないといけません。
そうなると、どうしても無難なかたちのコーディネートになってしまいます。
あまり窓装飾に関して関心をもたれていないお客様も多いので、無難なコーディネートは決して悪ではありませんが、生活スタイル、家族構成、嗜好が異なるそれぞれの部屋に少しでも個性が入ると、その部屋への愛着度が増すのではないかなとも思います。
窓装飾でお悩みになられているお客様に対しての私のスタンスですが、私個人の嗜好を含むコーディネート例も一例としてお話する場合もありますが、あくまでも住むのはお客様自身なので、お客様のご希望をお伺いして、それに合わせたコーディネート例をいくつかご紹介し、それぞれのメリットデメリットをご説明させてもらいます。
例えば、出入りを良くするベランダ窓にウッドブラインドを取り付けたいというご希望があった場合は、素材感や羽根の回転による調光機能などのメリットもありますが、昇降作業はギア比が軽くしてる分時間がかかるので出入りがし辛いというデメリットもあるということをご説明します。
そんな感じで、セミナーで学ぶ窓装飾と実際に行っている窓装飾の格差を感じているこの頃ですが、できる限り学んできたことを生かしたコーディネートができるようにしたいと努力していきますので、お近くにお住まいでカーテンや窓装飾の疑問、相談がございましたらお気軽に声をかけてください。